文と鳥と

文鳥を飼い続けて半世紀。あんなコトこんなコトありました。

⌲首が回る話

文鳥の首の可動域は180度ぐらい、か。

 

肩こりは絶対に無さそうだと、年々カラダが固くなる一方の飼い主は羨ましくて仕方がない。

しかも首と同時に眼球もよく動かしているから、随分と視野が広いはずだ。(動物類は視線を悟られないために白目がないという)

試せることはナンでも試す、のが信条だから、目玉を回しながら首を動かしていたら(と言っても飼い主の首角度はせいぜい左右各60度だが)、ヘタヘタと目が回ってしまった。

 

現在籍中の白文鳥メスは特別よく回るヤツで、親指に止まると天地逆転するように首を曲げる。小首を傾げたり斜め上に仰向いたりくらいなら、可愛いポーズでこちらの気もなごむのだが、逆さに見上げる様子は

―鼻の穴が上向いてるね
―目尻にシワが出てるね

と、粗探しされているガリバーの心持ちになる。

 

一方、桜文鳥のほうは首が重いらしく、手の平に座ると親指に顎を乗せて寝てしまう。飼い主から見えるのは完全な後ろ姿で、顔も見えず、黒(後頭部)、灰色(背中)、黒(シッポ)の魔物状態。これをわざわざ手に載せているのかと少々幻滅する。

 

但し本鳥、たまに背後が気になるらしく、ときどき首を回して飼い主の気配を伺うのだが、鳥といえども真後ろは見えないのだと妙な安心(?)をする。

それにしても、如何にも大儀そうに片目ずつ振り向いているサマは、どちらが主か分からぬようで、腹立たしい。

 

追記:鳥類の眼は紡錘形(ラグビーボール状)なので、眼球はあまり動かない、とか。

――だけど、丸い目でグルグル動いているんだよなあ。。

ひょっとして進化する文鳥を、進化しない飼い主が観察しているのかもしれない。